病気に負けない、ナガノパープル作り
目次
病気に負けない、ナガノパープル作り
人が病気にかかるように、ぶどうも、「ナガノパープル」も病気にかかる。
症状の現れ方は、葉や枝の形が歪み、成長が止まったり、
収穫間近の果実が美味しく食べられなくなったりと、様々だ。
農家の人々は「病気」という困難にも立ち向かい、
日々美味しいナガノパープルを育てている。
今回は病気の恐ろしさと対策、その他の脅威について調べていこう。
忍び寄る病気、その種類
粒の大きさは10g超え。濃い紫色の見た目が美しく、果汁も濃厚なナガノパープル。
まもなく旬を迎えるぶどうだが、果実を美味しくするための努力は、並々ならぬものだ。
それは冬場から始まる土作りであったり、春の剪定であったり。
5月から始まる、様々な病気への対策も、大切な作業に挙げられる。
ナガノパープルを襲う代表的な病気として、
「黒とう病」、「晩腐(おそぐされ)病」がある。
まずは黒とう病について、説明していこう。
「黒とう病」とは、古くから知られている病気。研究もその分進んでいる。
ある種の菌が引き起こす病気で、
新しく出てきたばかりの葉、新梢(しんしょう、新しい枝のこと)、つる、果実など
あらゆる場所で発生する。
発症した部位が葉だと、初めは2~ 5 mmほどの黒褐色の斑点が現れ、
徐々に拡大し、斑点中央部が灰白色、その周辺部が暗紫色の「点」となる。
そうして色のついた「点」は、やがて組織が枯れて死に、穴が開く。
葉脈に沿って発病することが多く、斑点が増えていくと、
葉の形がおかしくなってしまう。(奇形と呼ばれる)
花で発病した場合は、実をつけないまま枯れてしまう。
果実の場合では、鳥の目のような斑点が出来る。
具体的に書くと、
斑点の中央部は灰白色、外部が暗褐色、周辺は鮮紅色から紫色の輪帯で緑どられる。
実で発症すると、育たず固くなり、奇形となってしまう。
つまり、美味しく食べられない実になるのだ。
黒とう病の原因菌は、枝や巻きひげの内に潜んで冬を超え、
4〜5月の雨で目覚め、胞子を発生させる。
一度発症したら、上で書いたような「点」の病変を多数発生させ、ナガノパープルを苦しめる。
次に「晩腐(おそぐされ)病」について説明しよう。
果実が大きく膨らみだす頃に、発病し始める場合が多い。
症状としては、まず赤褐色の丸い斑点ができ、急速に果実全体へ広がる。
そして、斑点を中心に実が腐り始め、べとべとした胞子に覆われ、
水分が奪われて、最終的に果実はミイラ化する。
受粉を終えたばかりの実でも発症する場合があり、その場合は、
淡い褐色や黒色の斑点が出来て、かさぶた状となってコルクのような質感になってしまう。
これも「黒とう病」と同じく、原因菌は枝や巻きひげの内に潜んで冬を超える。
6〜7月に胞子を発生させ、それは雨の粒によって実へ伝染していく。
(参考HP 長野県農業関係試験場 農作物病害虫データベース 「黒とう病」)
(参考HP 長野県農業関係試験場 農作物病害虫データベース 「晩腐病」)
ナガノパープルを守るためには
「黒とう病」に「晩腐病」、どちらもナガノパープルを脅かす恐ろしい病気である。
では、これらを防ぐために、農家の皆さんは何を行っているのだろう?
上に書いた2つの病気は、どちらも「雨」が深く関係している。
雨によって胞子が目覚めたり、原因菌が水に運ばれて移動したりなどだ。
よって、病気を防ぐためには、
余分な枝や葉を落として、雨粒が乾くすっきりとした「枝作り」や、
実に雨がかからないよう、「袋がけをする」といった対策が挙げられる。
ナガノパープルに害を及ぼしているのは、病気だけではない。
枝の中身を食べる害虫、果実を狙う動物、ナガノパープル生来の身の割れやすさなどもある。
これらに対しても農家の皆さんは、
害虫であれば、食べられた枝を確かめ駆除したり、
動物が来るのであれば、電気柵で対抗したり、
実が割れやすいのであれば、袋で保護して、ストレスを受けないよう水分調整したりと、
日々、こまめな世話を行っている。
(参考HP 長野県農業関係試験場 「ポリエチレン製ネットの外側に電気柵を設置することでハクビシンの侵入を防止できる」)
それでも、美味しいナガノパープルを作るために
紫色の大粒がどっさり実り、種無しでジューシー、抜群に甘い「ナガノパープル」。
そんなぶどうを作るには、沢山の工程と、細やかな世話が必要だ。
もうすぐ旬を迎えるナガノパープル。
皆様もぜひ、手に入れられた際には、
一年をかけた農家の方々の努力に、思いを馳せてくだされば幸いである。
私達「Hoshina farm」では、
今回ご紹介したナガノパープルを始め、シャインマスカットといった美味しいぶどうを育てています。
甘さも抜群、見た目も美しいフルーツは、ご自宅用・贈答用にもぴったりで、
発送は東京、北海道、沖縄、離島を含めた全国に対応できます。
昨年度はご高評の声を沢山いただきました。感謝の念に堪えません。
今年度のぶどうの生長も目覚ましく、予約販売を開始する運びとなりました。
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ブログをいつも読んでくださり、ありがとうございます。
これからもブログにて、ぶどうの魅力を皆様に伝えていきたい次第です。