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デラウェアから始まりナガノパープルへ。ブドウ栽培の歴史を巡ろう

目次

デラウェアから始まりナガノパープルへ。ブドウ栽培の歴史を巡ろう

世界中と物流が繋がり、グローバルとなった現代社会。
私達は日本に居ながら、様々なものを楽しめるようになった。

今回は、日本のブドウ栽培を支えてくれた海外からの品種、
「デラウェア」のことを交えながら、
日本独自品種である「ナガノパープル」についてもお話していきたいと思う。

赤くて、小さい粒がどっさり実っている、甘酸っぱくて美味しい「デラウェア」。
「ブドウ」と聞いて、この品種を思い出す人は多いのではないだろうか。

日本人にとってこのデラウェアが非常に馴染み深いものとなっているのは、
この国のブドウ栽培の歴史が関係している。

文明開化から始まる、「デラウェア」とのお付き合い

世界において、ブドウは何千年も前から栽培されてきたが、
日本で熱心に栽培され楽しまれるようになったのは、明治頃となる。
(奈良時代頃には既に、ブドウをモチーフとした芸術品があったことから、
 存在は知られていたと考えられるが、どの程度栽培されていたかは定かではない)

文明開化が謳われた時代、政府は産業を発展させるため、
海外から様々なものを受け入れた。
海外産品種の栽培などもその一環である。

しかし、日本は「雨が長く続く」という独自の風土であったため、
「雨が少ない」土地でよく育つヨーロッパ品種の育成は難しかった。
そのため、政府は「雨や病気に強い」アメリカ産の品種を積極的に育てることにした。
この時、日本に受け入れられた品種の一つが「デラウェア」である。

「デラウェア」は山形県、山梨県などで多く栽培されるようになり
1989年代では、ブドウ全体の栽培面積の約40%を占めるようになった。
だから今でも、「ブドウ」と聞いた時、「デラウェア」を思い浮かべる人がいるのだ。

そして「ナガノパープル」へ

長野県で生み出された新品種、「ナガノパープル」。
このブドウは、デラウェアと血が繋がっているわけではない。
けれど、確かにデラウェアから影響を受けているブドウだ。

デラウェアには、良いところがたくさんある。
病気に強いこと。
育て方によっては「種無し」に出来ること。
果実の、酸味と甘味のバランスが良いこと。
また、その育てやすさから、日本人をブドウと親しくしてくれた。

けれど、持っていない要素もある。
例えばそれは、
さっくりとした食感であったり、「マスカット香」と呼ばれる香りだったり。

どうしてもそれは、デラウェアがデラウェアのままでは持ち得ない特性だった。

日本には無い、新しい味わい、大きさ、香りのブドウを──。
そう農家の方や農林水産省は考え、新品種の開発に乗り出した。
デラウェアがなければ、日本のブドウ栽培の発展もなく、
ブドウの広い普及もなく、新品種開発への強い意気込みもなかったのである。

やがて大粒紫ブドウの代表「巨峰」が生まれ、「シャインマスカット」が生まれ、
「大粒で種無しブドウブーム」が巻き起こった。
長野県もそれに続けと研究を重ね、2004年にめでたく新品種が生まれた。

それが「ナガノパープル」。
見た目は濃い紫色で、一房400~450gとずっしり重く、
種無しで皮ごと食べられて、健康に良い効果も期待できる、素晴らしいブドウである。
私達の「Hoshina Farm」でも栽培に取り組んでおり、
2022年、収穫予定である。

過去から未来へ、繋がっていくブドウ

「デラウェア」と「ナガノパープル」の関係性について触れながら、
日本におけるブドウ栽培の歴史を振り返ってみた。

明治時代にデラウェアの栽培が始まったからこそ、日本にブドウは広く普及し、
現代における様々なブドウ品種へと繋がったのである。
一見関わり合いの無いように見える「デラウェア」と「ナガノパープル」。
二つは、歴史によって繋がっていたのだ。

私達Hoshina Farmでも、歴史の中で生まれた新品種、
シャインマスカット、ナガノパープル、クイーンルージュを育てています。
まもなく旬を迎えるこれらのブドウ、今年も是非皆さんにお届けしたく考えています。

昨年は、東京ルミネで販売会を行い、沢山の方からご高評の声をいただきました。
通販にも対応しています。全国、北海道から沖縄、離島までお届けできますので、
ご検討の程、よろしくお願いします。

いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
今後も、農業に関して広くアンテナを張り、様々な情報を皆さんにお伝えしていきたいです。

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