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シャインマスカットをお弁当へ! 『変色』対策は?

目次

お弁当にぴったり! だけど……

彩りや栄養バランスのことを考えて、お弁当にフルーツを添えたい人は多いはず。
特に、切ったり皮を剥いたりせず、
そのまま食べられるシャインマスカットはお弁当にぴったりだ。

でも気になってしまうのが、フルーツを切った場合。
お弁当に詰めてから時間が経つとともに、
鮮やかな色からくすんだ色へと変わってしまう『変色』のこと。

お弁当にりんごを添えたけれど、食べる頃には茶色くなっていてがっかり……。
マスカットを切って入れたけど、綺麗な緑色がくすんでいてしょんぼり……と、
そんな体験をした方もいるのでは?

果物の味に変わりはないけれど、起きるとちょっと落ち込む『変色』。
なぜ、変色は起きるのだろう?

変色の仕組み

変色を起こすのは、シャインマスカットに限った話ではない。
野菜であれば、
じゃがいも、なす、ごぼう、れんこん、少し珍しいけれど『うど』など。
果物であれば、リンゴ、バナナ、アボカド、梨、桃などがある。

こういった野菜・果物を包丁やナイフで切った後、放置していると
茶色くなったり、色が褪せたりする変色が起きる。
変色は『褐変』(かっぺん)とも呼ばれる。

変色が起きるのは、食べ物に含まれている『フェノール性化合物』が、
(リンゴ中にあるタンニン、ぶどうに含まれるポリフェノールもこれの一種)

同じく食べ物の中にある『酸化酵素』によって酸化を促され、
(酸化酵素が、空気中の酸素を引き寄せてしまう)

変色物質(メラニン)を生み出してしまうのが原因だ。
簡単に言えば、食べ物が酸素に触れることが変色の原因となっている。

変色の防ぎ方

では、どのようにすれば変色を抑えることができるのだろう?
2つの方法を考えることができる。

『食べ物の変色反応を遅らせる』か。
『食べ物を空気に触れさせない』か、だ。

変色反応を遅らせるには、食べ物を食塩水に数分漬けるといった方法が上げられる。
なぜ食塩水が効果的なのかというと、塩に含まれる成分が
食べ物を酸化させる酵素(これが変色反応)の働きを抑えてくれるからだ。

加える塩の濃度としては、漬ける水に対して1%ほど。
2〜3時間の間、食べ物を変色から守ってくれる。

空気に触れさせない方法として、食べ物の表面をコーティングしてしまうのも手だ。
ケーキ店で、ショーケースに並べられた色とりどりのスイーツ。
スイーツの上で輝く果物がどうしてあんなにも美しいのか、
疑問に思ったことはないだろうか。

その秘密は、果物に塗られた『ゼリー』にある。
『ナパージュ』とも呼ばれるこのとろりとしたゼリーは、
糖類と、植物由来である粘り成分『ペクチン』
(動物由来の粘り成分『ゼラチン』の場合もある)から作られたもの。
水を加え、加熱して一度冷ましてから利用する。

パティシエ達は、切った果物の断面にナパージュをハケでひと塗りすることで、
空気が果物に触れることを防ぎ、乾燥や変色が起こらないようにしているのだ。

お弁当作りで気をつけたいこと

上に書いたことを参考に、早速お弁当を作ってみよう。
まずは手を洗って清潔に。包丁やまな板といった調理器具も綺麗に洗浄。
使う果物は直前まで冷やしておいて、さっと洗い汚れと水気を取ろう。
変色対策も大切だが、清潔にすることで食中毒の発生も防ごう。

おかずと果物を同じ容器に詰める人もいるが、水分がおかずに移るのを防ぐため、
別々の容器へ入れたほうが良いだろう。

果物を切った後、1%の食塩水に漬けるか、ゼリーを断面に塗る。
これで変色対策はバッチリだ。
保冷剤なども容器に添え、なるべく早く食べよう。

お子様などへの誤飲防止のためにシャインマスカットを小さく切った場合は、
上に書いた2つの方法で変色を防いでほしい。

見た目に美味しく、楽しい食事を

食事というのは、味も大切だが、見た目からも大きく影響を受ける。
お弁当箱の蓋を開けた瞬間、様々なおかずと添えられたフルーツが目に入ってくれば、
それはきっと、いつまでも心に残る思い出になるだろう。

今回は、変色の仕組みと防ぎ方についてご説明してきたが、
皮を剥いたり切ったりしなければ、そもそも変色は発生しない。
皮ごと食べられるシャインマスカット、ナガノパープルはまさにうってつけ。
鮮やかな緑と濃い紫の実が添えられれば、お弁当がぱっと華やぐこと間違いなしだ。

気温が上昇するとともに、ぶどうの木もぐんぐんと成長しています。
シャインマスカットの旬は8〜9月。
様々な場所のお出かけに、お弁当へシャインマスカット、いかがでしょうか?
リッチで幸せな気持ちになれるはず。

今年も『Hoshina Farm』は、信州長野から、
東京を始めとした全国へ美味しいぶどうをお送りするべく、準備をはじめました。
ブログもその活動の一環です。これからも情報発信を続けていきます。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

(参考文献 『栄養管理と生命科学シリーズ』 調理の科学ー記入式ノートつきー)

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