BLOG ブログ

ブログ

旬のシャインマスカットを一年中お届けできるかも?

目次

もし、一年中食べられたのなら

シャインマスカットはとても美味しい。
だが、農作物というのは旬があり、それを過ぎれば冷凍のものでなければ
食べられなくなってしまう。
「旬のシャインマスカットを生のまま、一年中食べられるのなら」と望むのは夢物語なのだろうか?
いや、決して夢物語ではない。それが叶う日が近づきつつある。
夢の実現に一役買うかもしれないのが、「保水キャップ」だ。

保水キャップってなに?

保水キャップはプラスチック製の容器で、大きさは様々あるが基本的には小指くらいのもの。
元々は切り花の鮮度を保つために作られたもので、園芸界では馴染み深いものだそうだ。
使い方は簡単。中に水を入れ、そこに一度水切り(水中で花の茎をカットする作業)をした
花の軸を差し込む。
すると花は、切断面から水を吸い上げるので、しおれるスピードが抑えられ、長期間に渡り
その姿を楽しむことができるのだ。

この保水キャップの力が、収穫後のぶどうの保存に活かせるかもしれないと、近年注目が
集まっている。

簡単なのに効果抜群!

シャインマスカットは、そのまま常温で保管していれば萎び、実の食感や甘みが損なわれてしまう。
冷蔵・冷凍することで保管できる日数を伸ばすことができるが、食感の変化や香りが失われるなど、
保存による影響は避けられない。
なので今、全く新しい観点からの保存方法が研究されている。

保水キャップによる保存の、やり方は簡単だ。
収穫後のシャインマスカットの、主となる軸を水の中でカット。
その先に水を入れた保水キャップを取り付け、軸が水に浸ったままになるよう上向きにする。
この時、軸の全てを水に浸からないように、キャップへの挿入は2〜3cmほどにとどめる。
(果実袋に入れたままの状態で行う)
その後は、0.5度に設定した送風式冷蔵庫に移動。緩衝材を敷いた収穫用コンテナに入れ、
風よけのための新聞紙をかけ、保管。
この方法によって、2〜4ヶ月もシャインマスカットの鮮度と甘みを保つことができたのだという。
保存する期間によって、保水キャップの大きさは変更する必要性がある。

だが、この際気をつけなければいけないのが、保存するシャインマスカットの状態である。
未熟な実の場合だと、粒が外れたりカビの発生に繋がり、
黄色く熟した実を選んだ場合だと、保存途中に柔らかくなりすぎてしまう。
適した時期に収穫した、緑色をしたシャインマスカットを選ぶ必要がある。

(山形県農業総合研究センター園芸試験場・果樹部
 「ブドウ「シャインマスカット」周年供給に向けた越年出荷技術および輸出実証」
 園芸学会平成26年度秋季大会口頭発表(園芸学研究第13巻別冊2・p149
 米野智弥、今部恵里、明石秀也、仲條誉志幸、須藤佐藏,2014
 より)

技術が私達の生活を豊かにする

私達の日々の暮らしは、様々な技術によって支えられている。
ほんの数百年前は夢物語だと考えられていたことが、次から次へと実現し、普及、
いつの間にか生活の「当たり前」となっている。
食に関する研究も急速に進んでいる。新しい食品は毎日のように生み出されているし、
保存・輸送技術の発展も目覚ましい。
今は旬の時しか楽しめない生のシャインマスカットを、一年中フレッシュのまま楽しめる日も、
きっと遠くはないだろう。

上で紹介した保水キャップによる保管方法は、シャインマスカット以外のぶどうにも
適用できると考えられている。
技術の発展により、私達の生活はますます豊かになっていく。

「Hoshina farm」ではシャインマスカット、ナガノパープル、クイーンルージュといった
高品質のぶどうを育てています。
前年は東京から沖縄まで全国各地の方にご注文いただきました。ありがとうございました。

これからもこのブログを通じ、ぶどう達の魅力について発信できたらと考えています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

SHARE

ブログ一覧